特集

Interview “Do my Best!”

―絆が生まれるプロジェクト―まちなみづくりの仕事

造園事業部 施工部長 石井 雄高 造園事業部 営業部 営業課 河内 瑛 造園事業部 営業部 設計課 主任 山上 達矢 造園事業部 営業部 設計課 平山 美波 (左から順に)

My Best Project

用賀ハイム外構改修プロジェクト

施工期間:2024年4月~2024年6月
東京都世田谷区
RC造地上4階建マンション外構改修工事

皆さんのそれぞれの担当業務のご紹介をお願いいたします。

河内:
造園事業部営業部営業課 河内と申します。私の業務は主にお客様と打ち合わせをして新規の案件の受注、プロジェクトの全体管理を行うことです。
山上:
同じく設計課主任の山上です。設計担当として普段はプランの提案や実施設計を行っています。今回、この案件を担当させていただきました。
石井:
施工部 部長の石井です。今回の工事は河内さんと連携して受注した経緯があります。施工部なので工事を担当しますが、今回は、主に手配を行い現地の常駐担当は若手社員に行ってもらいました。
平山:
設計課の平山です。今回は、設計の山上主任の補佐をしながらみなさんの業務サポートを担当しました。

用賀ハイムプロジェクトの概要について教えてください。

河内:
今回のプロジェクト受注の経緯は、石井部長を経由して用賀ハイムというマンションの外構の改修工事のご相談をいただき、実際に、石井部長と私でまず打ち合わせ、初顔合わせを行いました。
お施主様が管理組合でしたので、いつものような企業ではないため、住民の方と工事打ち合わせというような形になり、皆様の要望を聞きながら設計、工事を進めていきました。
山上:
概要としましては、築約50年、39戸、RC造地上4階建てマンションの外構改修工事ということで、それに伴う企画・設計、施工管理を行うというプロジェクトでした。

今回のプロジェクトは当社でも若手メンバーが中心になって手掛けたと伺いました。どういった経緯で皆さんが集まったのでしょうか。

山上:
今回は、普段行う戸建て分譲住宅の外構植栽工事ではなく、マンションの外構改修工事の設計及び元請けとしての受注であったこともあり、若手が手掛ける新たな事業のスタートアップとして上長より我々を推薦していただきました。
また、このような建築や改修などの経験があるメンバーの経験が大いに活かせることも選出の理由の一つになりました。
河内:
新しい試みなので、ベテランの方ではなく、敢えて私や、設計での山上主任、平山さんのような若手が思う存分やってみろ、と選任されたのだと思います。
そして我々だけではなく、実際に重要な施工で、石井部長にバックアップしていただくというのが今回のプロジェクトの体制です。

今回は、マンションの外構改修工事とのことで、設計や提案、施工にあたり心がけたことや新たなチャレンジなどはありましたか。

山上:
今回はお客様の多くがシニア世代であるということや外構工事の内容に詳しい方が少ないことから、業界用語や専門用語はなるべく使わず、提案や打ち合わせでは、イメージパースやサンプルを積極的に用いて、お客様がイメージしやすい打ち合わせを心がけました。
石井:
先ほども申しましたが、なるべく私は現場に常駐せず、若手社員に現地へ多く足を運んでもらい頑張っていただきました。これは彼らにとっても私にとっても新しいチャレンジでした。

今回のプロジェクトに大きな課題や障害などはありましたか。また、その課題や障害をどのように乗り越え、プロジェクトを成功へ導いたのでしょうか。

山上:
当社では、普段、分譲住宅などの外構工事が多いのですが、今回はこれまでの分譲外構ではあまり事例のないような天然木材を使用した造作物などの装飾のご依頼があり、その中で既存のフェンスに取り付けることなどの扱いが難しかったです。
天然木を使用するご要望に関しては、保証の関係から一旦は既成品を利用した代替案を提案したのですが、お客様側としては素材などに強くこだわりをお持ちでしたので、何度も提案を繰り返し、石井部長にもご協力いただいて、なんとか天然木を使用するというご要望を満たして施工することができました。
内容としてはフェンスに天然木の奥板を貼っていくという工事でしたが、既存のフェンスがぐらついていた点が課題でした。既存フェンスに取り付けるということは重量も増しますし、破損リスクが伴うのですけども、補強方法に関する工夫を協力会社さんや石井部長からのアドバイスも参考に、ご要望を実現できました。

プロジェクトを振り返り、ご自身の成長や手ごたえなど感じたことはありますか。また、今回の経験を今後どのように生かしていきたいと考えていますか。

河内:
私自身、関わることの少ないプロジェクトでしたので、すごく大きな仕事に携わっているということを実感しました。
何よりも営業、設計、施工という分業が明確ということもあり、お客様からのお話も契約に関する話は営業担当へ、設計・意匠は設計担当へ、工事に関しては施工担当へ、というような意識をお客様にも持っていただいたということは、今後のほかのプロジェクトにも必要だと感じ勉強になりました。
工事をしていく中で、これはやっぱりやりたいとか、これはやっぱりやらなくてもいいとか、そういったことが日々出てきます。その中で、締結した契約に対して最終的に何をやったのか、何がどうなったのか、というところを契約金額に基づきながら精査し、お客様にご希望に沿った工事を行いましたとお伝えすることができたことは、当社の品質と信頼を高める一つの方法だと改めて実感し、それができたことでお客様にご満足いただけたものと自負しています。
山上:
先ほどの天然木を使うかどうか、既製品を代替とするかというような対応で色々とお客様とやり取りがありました。
通常の業務をこなす中では、やはり会社としての保証などが大切になってきますので、保証がしっかりできる商品を勧めることを日常では定型的に対応していたのですが、今回のプロジェクトではそのような会社の考えに加えて、お客様のご要望をいかに叶えるかいうところに注力し寄り添わなければいけないというところに気付きがありました。
今回お客様といろいろとお話していく中で、当初、私がランドスケープの設計を志した頃を思い出しました。改めて自分自身が何をやりたいかとか、どんな気持ちでいたかということを考える機会になりました。
自分の理想の実現だけを追い求めるのではなく、自然との調和や秩序、使う人の気持ちを考えた設計をしたいという本質的なところを改めて見直すきっかけになりました。
これを心に留めて、今後の設計業務にも活かしていけたらなと思います。
石井:
まずこのお仕事をいただいた時に、難しいな、うまくできるかな、という不安がすごくあったのですが、そういった不安を河内さん、山上主任、平山さんのやる気や自信が払拭してくれました。大きなパワーをもらい、屈することなく、やってみようという思いになりましたし、若手とは言え、こういった大きなプロジェクトができる仲間が増えたということがすごく嬉しかったです。大きな収穫でした。
河内さんが言うように、営業、設計、施工は分業的な会社の組織ですけど、ここの現場に関しては、本来、安全計画書など施工がやるべきことを、設計の平山さんに担当していただいたり、最初の工事の相談も営業ではない僕のところに持ち込まれたり、あとは営業の方は河内さんが、本当は私が現場で説明会などを開かないといけないところを仕切ってくれたり、サンプル持ってきたてくれたりとか、そういうことがありました。別に誰が何をするという指示もしていなくて、誰もがやるべきことを進んでやるという雰囲気に自然となりました。半分押し付けもあったかもしれませんが。(笑)
山上主任にも工程表を作成してもらったりして、お互いにフォローしながらできたのは、とても心強かったです。これも大きな収穫でした。
平山:
今回はお客様の中で元々は何かの設計をされていた方で、設計などのデザインの知識がすごくある方がいらっしゃいました。打ち合わせで出てくる話題もレベルの高い内容が多く、私はそれについていきながら、なおかつ、これからそういう提案ができるようにしていきたいと思いました。

皆さんがそれぞれの業務を行うなかで「誇り」に思うことや「喜び」を感じることはありますか。

石井:
お客様に喜んでいただいた時です。今回のプロジェクトでは完成したものをお客様にとても喜んでいただけました。
河内:
お客様が喜んでくれ、かつ当社としても適正な利益が確保できたとき、そこは大きいですね。喜びですね。
予定通り利益を確保し、お客様にも喜んでいただける、ということがやはり本当に重要なのかなと僕は思います。
今回のお客様は本当に良い方たちでしたし、工程の中でやったことや完成した仕事に対するご評価もきちんといただき、すごく喜んでいただけました。

皆さんがお客様や協力会社様、また地域の方々へ「約束」を一つ挙げるとしたら、どのようなものがありますか。

河内:
営業としての立場でしたら、ノーは言わないです。
やはりお客様の要望に対して、できないというよりも、こうしたらできますよとか、こういう手段だったらありますよ、ということを考えないといけないです。
今回はそれを設計の山上主任、平山さん、石井部長に知恵を一緒に絞ってもらって、お客様のご要望に挑んでいきました。
お客様のご要望に沿う、ノーを言わないっていうのは約束として挙げられるかなと思います。
山上:
要望に沿った提案を目指して最善を尽くす…ですね。
石井:
いろいろなことで期待を裏切らないことですね。
河内:
打ち合わせをして、パースを見せて、資料をお見せして、想像を膨らませておき、最後に工事でどれぐらいそれをリアルに落とし込めるかという事なので。そこは本当に石井部長がおっしゃるように期待を裏切らないっていうことは、今までの打ち合わせを全部背負って工事をするっていうことです。
石井:
施工としてはそのことも確かに重要です。

これからも様々な「まちなみづくり」に携わっていくことと思います。この仕事を通して「どんな未来を、みどりで描いていきたい」と考えていますか。

山上:
今日の外構植栽というのは脇役となることが多いと思うのですが、人の手を加えることで与えられる緑の魅力というのは、無限の可能性を秘めていると思いますので、今後は緑をきっかけに人が集う場所だとか、足を運ぶ場所で、時としては主役となるような外構計画を目指し、その地位を確立させていきたいと思います。
やはり今回、石井部長の人の良さが溢れていて、用賀ハイムの方々が皆さんすごく笑顔で接してくれました。工事をしている最中も結構、皆さん興味を持って工事を見たり聞いたりしていただいて、すごくいい雰囲気で仕事ができました。もう本当に石井部長の存在はすごく大きかったと思います。勉強させていただきました。

その他、工事を終えての感想をご自由にどうぞ。

石井:
ありがとうございます。
現場に来ていた協力会社さんも分業制でとてもテキパキと作業をしていくため、皆さんで見ていると、あっという間にできていきましたね。見ていてすごいですね。最後のほうは住民の方だけではなく、ご近所の方も見に来てくれていました。こういったことは今までにないですね。現場で繰り広げられるエンターテイメントでしたね。
こういうプロジェクトが、時々あるとやっていて楽しいですね。もちろん分譲住宅は分譲住宅で楽しいことはたくさんありますが…。(笑)
河内:
大きいプロジェクト、大きい工事でしたので、工事定例会は毎週ありましたし、打ち合わせも頻繁にありましたので、すごいスピード感を必要とする工事でした。
加えて高レベルのプロジェクトでしたので、何かあれば我々プロジェクトメンバーがすぐに集まって、全体でフォローしながら、常に情報共有、情報交換を密に重ねてきました。
いつもは担当毎にしっかり分業しているのですけど、引き継ぎとかで時間を要してしまう場合もあります。今回は、もう本当にそういったことが必要ないくらいで、チーム一丸ということをすごく感じていました。
石井:
最初にお見積もりを提出したら来月から工事に来てくださいと。とても順調に進んで、こちらが驚きました。
山上:
普段はお客様とそういったことはないのですが、人生の先輩として設計のお話とかいろいろ聞かせていただきました。今後の業務に生かしたいと思います。
平山:
私たちのコミュニケーション、アクションもそうですけど、とりわけ山上主任については、設計担当として相当お客様とやり取りをされたのだなっていうことが最後見てわかるくらい絆が生まれていました。
皆さんがお客様と密にコミュニケーションをとって来たことがすごくよく伝わってくるプロジェクトでした。

ご苦労はあったと思いますが。皆さんが、楽しくプロジェクトを完成させたのが良く伝わってきました。今日はありがとうございました。