特集

Interview “Do my Best!”

―お客さまの楽しむ姿が原動力― ターフメンテナンスの仕事

ゴルフ事業部 第1統括部 川崎事業所 齋藤 省造 所長

My Best Project

荒川・扇河川健康公園パークゴルフ場

東京都足立区の荒川河川敷にある「荒川・扇河川健康公園」内の、パークゴルフ場の管理を行っています。ゴルフのミニチュア版といえるパークゴルフは、ボールを転がして行うスポーツなので、芝の管理がとても大切になってきます。「荒川・扇河川健康公園」には、野球場など芝を敷いた施設が多く、これから当社がゴルフ事業で培った芝生のノウハウを、様々なスポーツ分野に展開していくことを目指す意味でも足掛かりになるプロジェクトです。

「ターフメンテナンス事業」は、芝の管理のスペシャリストである東急グリーンシステムのノウハウを多方面に広げていくための新規プロジェクトですね。改めて「事業・業務」の説明をお願いします。

ターフメンテナンス事業では、当社がゴルフ事業で磨き上げた技術やノウハウを活用して、さまざまなスポーツ施設をサポートしていくことを目指しています。それにより、天然の芝生の上で運動をする文化を、この国に根差すのに一役買えるかもしれないと考えています。
私が管理しているパークゴルフ場でも、老若男女を問わず、様々なお客様が気楽に楽しんでいらっしゃいます。例えば、お客様がお孫さんを連れてきて、そのお孫さんが気持ち良さそうに裸足で芝生の上を走り回る姿などは、ターフメンテナンス事業が多くの人々に笑顔の空間を提供できる可能性を持った事業であることを表していると感じます。

パークゴルフは通常のゴルフ場と異なりますが、仕事をする上での変わらぬ「モットー」などはありますか?

プレーヤーが心から楽しめるように、芝の状態をいつも良い状態にしておくことですね。そのためにも、クライアントの要望や訪れるお客様のご意見をできる限り聞くことを心掛けています。
特にパークゴルフの芝は、普段管理しているゴルフ場と比べて刈り込みの高さや頻度が全く異なります。私自身パークゴルフというものには馴染みがなかったもので、パークゴルフのプレー経験が豊富なお客様のご意見を聞きながら試行錯誤し、今では「他のパークゴルフ場よりも、芝の状態が良くてプレーするのが楽しいよ」とお声掛けいただけるようになりました。

ゴルフ場での芝生管理のレベルの高さが、パークゴルフ場でも生かされたのですね。東急グリーンシステムならではの「強み」があったのでしょうか?

様々な種類の芝を管理した経験が多くあるということが、強みとして挙げられます。一つのゴルフ場で、少なくても3種類ぐらいの芝を扱っています。それが関東だったり、長野方面だったり、地域によって扱っている芝の種類が異なってきますので、当社全体を見ると数十種類の芝管理のノウハウがあるのです。そうした経験や知識の豊富さは、ゴルフ場以外のスポーツターフ管理にも生かせます。
また、芝を手入れするスタッフの技術もあります。芝刈り一つにしても、ラインをきれいに見せる刈り方というのがあります。そういうところまで意識して仕事ができるスタッフを育てる土壌が当社にはあるということも大きな強みですね。私は、16歳の時、アルバイトとしてゴルフ場で働き始めてから今まで、ずっと芝生を見つめてきました。そういった経験を、働きながら若手社員に継承していける環境がありますので、これからも多くの芝生のプロが当社から育ってくれると期待しています。
また、管理する施設以外のことでも、お客様からアドバイスを求められればできる限りお答えしています。そうやって、一つ一つの仕事で評価されることで、“芝生の管理なら東急グリーンシステム”というイメージが広がっていき、もっと多くのシーンで芝生のプロフェッショナルとしての当社の認知度が向上していくと思います。

美しい芝生を保つことで感じる「喜び」はどういったものでしょうか?

プレーされている方からの評価が一番というか。それが実際に聞こえてくると、やってよかったなと思いますね。それとともに、自分の芝の管理が正しかったということを確かめる意味でも、お客様から喜びの声を聞けることがとても大切です。私たちの思い込みで、これをやっていれば良くなるだろうとか、これをやっていれば喜ばれるだろうじゃなくて、お客様の声で正解を知ることができるのは、より良い芝管理を目指して、トライ&エラーを繰り返していく原動力になっています。

東急グリーンシステムは、お客様や協力会社様とのパートナーシップをとても大切にされています。
大切なお客様への「約束」を一つ挙げるとしたら、どんなものになりますか?

私たちの技術で、多くの人が集える環境を作るお手伝いをしていきたいです。このコロナ禍で、多くのお客様に屋外で楽しめるパークゴルフ場に来ていただけるようになりました。屋内の遊びというのが制限されていく中で、屋外で行うスポーツ全般が見直されていくと思います。そうなると、野球場やサッカー場をはじめとした芝生のフィールドの管理も、もっと大変なものになっていくのではと感じています。例えば、人に踏まれる頻度が増えるなら肥料を変えて芝の抵抗力を高めるなど、私たちがそのケアを行っていきたいと考えています。

「ターフメンテナンス事業」はまだ始まったばかりですが、「どんな未来を、みどりで描いていきたい」とお考えですか?

お客様のニーズに臨機応変にお応えするためには、芝生というものをもっと自由にコントロールできるように、さらに勉強しなければと感じています。
最初はただ仕事としてやっていましたが、このターフメンテナンス事業を通して、今、芝生に関わる意味合いが変わってきています。パークゴルフ場を管理する作業中に、ご家族でとても楽しんで回られているのを見て、すごくいいなと幸せを感じるのです。
もっと多くの分野でサポートできるように、「東急グリーンシステムがやっている芝はいいよ」という口コミを広めていくためにも、一つ一つの仕事に気を抜かず、丁寧に関わっていきたいと思います。

インタビューは制作にかかわる最低人数で実施し、換気性の良い広い場所で、検温、マスク着用など、新型コロナ感染症対策を取った上で、撮影時のみマスクを外して行いました。(2021年5月実施)