Interview “Do my Best!”
―植物たちに惜しみない愛情を―緑地管理の仕事
造園事業部 環境緑化部 本郷 由美子
My Best Project
ドレッセ鷺沼の杜プライムフォレスト
約26,000m2の広大な敷地を、四季を通じて色とりどりの植物が彩る大規模マンション。その名に「杜」をうたっているように、緑がこのマンションの特色となっており、居住者様にとっての誇りとなっています。その大切な緑を常に美しく保つために、マンション管理組合や管理人の方々と密にコミュニケーションを取りながら、緑地管理を担っています。
マンションの植栽管理と聞くと、伸びすぎた草や木を切る職人の方々の姿が浮かびますが、改めて「緑地管理」の「事業・業務」をご紹介いただけますか。
緑地管理の仕事は、まずマンションの管理組合の希望を伺い、年間の植栽管理スケジュールを決めることからスタートします。私たちは作業の管理者として、その契約のもと協力会社と連携し、決められた作業を滞りなく行っていきます。そうやって、マンション内の緑を美しく維持していくことが、一番大切な役目です。
一方で、植栽は生き物ですので、天候の影響や病気によって元気がなくなってしまうものもでてきます。植栽にそうした異常がないかを察知するために、定期的に担当するマンションを巡回しています。目を凝らして植物を観察し、植木の色が良くない部分を発見したら肥料を変えてみるなど必要な対処をします。「緑地管理」として25件のマンションを担当していますが、目を閉じれば、各マンションの緑の現状をイメージできます。
ドレッセ鷺沼の杜プライムフォレストには、多種多様な植栽が居住者さまの暮らしを彩っていますが、その美しさを保つために東急グリーンシステムならではのどんな「強み」や「特性」が生きていますか?
このマンションは、エリアごとに緑の雰囲気が変わります。例えば、あるエリアは和風、こちらは洋風といった具合にさまざまな景色を持っているのです。また、マンションの居住者さまごとに、植栽に求めるものも異なってきます。ある方にとっては四季折々の自然を楽しむもの、またある方にとっては緑の壁として心地よくプライベートを守るものとなっています。
当社には、マンション管理の経験が豊富なスタッフはもちろんのこと、色とりどりの花が咲く公園の植栽管理をするスタッフや、商業施設や医療施設の植栽管理をするスタッフもいます。そうした幅広い現場で培ったノウハウやアイデアがあるからこそ、多様なお客様のご要望に対して、経験談を持って説得力のある対応をすることができ、マンション内の緑を一層良いものにするご提案ができていると思います。
お客様であるマンション管理組合や管理人の方のご要望にお応えするために、どんなことを「心掛け」ていますか?
お客様にとって身近なパートナーであるために、レスポンスの良さは大切にしています。
マンション管理組合の皆様は、普段は別のお仕事をされていて、その合間に管理組合業務に当たられている方がほとんどです。そうしたお忙しい皆様のパートナーであるためには、素早い応対と、スムーズな問題解決が求められます。常に自分の予定を把握しておき、ご要望があれば「何日には行けるので様子を見に行かせていただきます」とすぐ連絡を入れる、といった一つ一つの対応が信頼を得るために重要だと考えています。
また、植栽管理のプロとして、お客様にご納得していただくこともとても重要だと考えています。お客様からのご要望でも、当社からのご提案でも、作業の意図をしっかりとご説明します。例えば、植栽の植え替えを行う場合、ご提案が数パターンある場合にはそれぞれのイメージ図を作り、作業期間やコスト面の違いなどもご理解いただき、メリット・デメリットをご検討いただけるようにしています。植栽の知識があるものにとっては「当たり前」のことでも、丁寧な説明がないとお客様はその意図がわかりません。そうした心掛けが、スムーズな作業につながっていきます。
「緑地管理」は、マンションという住空間に足を踏み入れて作業を行います。お客様に「安心」を感じていただくために注意していることなどはありますか?
サービスを提供する上での距離感には気を付けています。居住空間にスタッフが足を踏み入れることで不快に思われてしまう可能性があります。特にマンションは居住者様のお部屋の目の前を通ることもあるので、できるだけお宅の方は見ないように動くことや、細かいですが、マンションの中を歩く場合は靴裏の土をしっかりと落とすといったことを、協力会社と共に徹底しています。
東急のマークが入ったユニフォームを着て歩いていると、「いつも植栽がキレイだね」と声を掛けていただくこともあります。東急グループの会社であることが安心と信頼につながっているのだなと実感します。お客様にとっての財産である緑を守るパートナーとして認めていただけているんだと感じ、とてもうれしいです。
お客様からの信頼はとても大きな喜びですね。その他に、「緑地管理」をされる中での「喜び」や「やりがい」をどういった時に感じられますか?
「害虫が発生して弱ってしまった」「花が咲かない」などの問題を抱えた植物に愛情を持って、適切な対応を行い、無事に状況が改善されるとうれしいですね。またお客様から「緑がきれいだね」と声を掛けていただいたときにやりがいを感じます。
最近、巡回中に個人のお宅で育てている鉢植えについてのご相談を受けまして、業務内ではないのですけれども、もちろんご対応させていただきました。「頼られているんだな」という喜びを実感し、私たちのサービスへの期待と信頼を感じたりもしました。
そうした信頼をいただくお客様への「約束」を一つ挙げるとしたら、どんなものになりますか?
まずは、契約通りの作業を間違いなく行い、今ある緑を守っていくこと。そして、お客様の信頼にお応えすることで、居住者様と共にマンションで生きる植物たちをさらに元気に、美しくするご提案をしていきたいです。
私は、もともと植物が好きで、大学でも農業を専攻し野菜の育成を学びました。そこから、緑の育っていく環境を自分の手で守る仕事がしたいと、今の仕事に就きました。お客様や協力会社の方々とコミュニケーションを取りながら、暮らしの中にある植栽を守る仕事は、とても楽しいです。この喜びを、お客様へのサービスでお返ししたいと思います。
「緑地管理」は、マンションに住まう方々の気持ちに寄り添いながら、暮らしを豊かにする事業ですね。「どんな未来を、みどりで描いていきたい」とお考えですか?
管理物件数を増やし、より多くの緑地の維持管理を行うことで都市の緑の保全に努めていきたいです。また、今後も安全管理を徹底し、多くの皆様に安心して緑を楽しんでいただけるよう努力を続けてまいります。
私自身、お客様、協力会社、事業部などの全ての相手から、「安心して任せられる」と信頼していただけるようになりたいと思っています。そのためにも日々の業務を着実にこなし、周囲の皆様から多くの知識を吸収していきます。そして、得た知識を上手に活用し、周囲の人に還元できるよう努めたいです。
インタビューは制作にかかわる最低人数で実施し、換気性の良い広い場所で、検温、マスク着用など、新型コロナ感染症対策を取った上で、撮影時のみマスクを外して行いました。(2021年5月実施)